無糖の日々

大事なことは、君が、「知りたい」という気持ちを強く持っていること、ただそれだけということです。

ハサミ男 読書(20170719) 

ハサミ男」 著 殊能将之  講談社文庫

 

 本書はトリックを含んだP500ほどのミステリ小説である。他のレビューを見たうえで感じたのは、文章のどの部分でトリックに引っかかるかというのも人それぞれ異なるという点だ。その境目に気を付けて読んでみるのも面白いと思う。(私は最初と途中で二度引っ掛かった) 付け加えておくと、皮肉な表現が多用されているため、好き嫌いがはっきりとあらわれる小説とも言える。

研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。三番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て 殺された死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」が調査をはじめる。

個人的に

殊能さんの著書の特徴として、引用書籍の数が多いことが挙げられる。中には、あまりにも多すぎて、この本をどこで使用したのかと書評する人が困っていた話があるくらいだ。本題では、調査をはじめるとあるけど、周辺の人にばれないように調査をする、この立ち回りのうまさがとびぬけているのは言うまでもない。実際にこんなに調査がうまければ、能力を活かして違う仕事をしていた方が割に合うんじゃないかと思う。しかし、ハサミ男東横線ですぐ行ける会社が良いらしい…

 

1. 似たような作品には、中山七里による「カエル男」もある。←※題名だけでなく中身もミステリ小説だが、作品内のジョークは正直微妙

 

2.PS4のゲーム「UNTIL DAWN -惨劇の山荘」にも似たような面談がある

 

3.文章が理路整然としていて読みやすい。あと残酷的過激な描写はそれほど多くはない

 

殊能氏の他の作品には「石動戯作シリーズ」がある。全巻通して、ハサミ男のトリックが強すぎて、こちらのトリックが弱く感じられるといった賛否両論はあるものの、個人的には面白い。

 

ハサミ男 (講談社文庫)

ハサミ男 (講談社文庫)

 

 

 「<おふらんど>ってどういう意味なんですか。辺鄙な土地、かな」

「なるほど、<オフ・ランド>ですか。そういう解釈は初めて聞いたな。じつはフランス語なんですよ。<捧げ物>という意味です」

わたしにとって店主から得た情報は、欲しくもない捧げ物だった。