無糖の日々

大事なことは、君が、「知りたい」という気持ちを強く持っていること、ただそれだけということです。

社会学の根本概念 岩波文庫(20170804)

社会学の根本概念」 マックス・ウェーバー著 清水幾多郎訳 岩波文庫

 

社会学の泰斗 マックス・ウェーバー(1864-1920)がその死に先立って社会学上の重要な諸概念を定義的に明らかにしようと試みた論文。宗教、経済、政治、法律などの各領域で社会学的研究を成し遂げたウェーバー社会学に関する基本的な考え方を知るために貴重な文献である。なだらかな日本語に移した翻訳書は初学者にもすすめたい 

 まず始めに社会学と社会的行為についてどのようなものかが書かれている。以後、社会的集団として生じる闘争という概念や集団としての開放的、閉鎖的意味などの定義づけがなされていく。

 

個人的に

 私は子供の時から哲学とか学術の本はどうして文章がこんなにも硬くて、読みづらいものなのかと不満を感じていた。その解答として本書では次のように書かれている。

無制限の通俗化という要求と極度の概念的正確という要求とは、いつも調和するとは限らないので、そういう場合では、どうしても、後者を重く見ることになるだろう。

 著者が読者に分かりやすく説明したいという欲求があっても、分かりやすく書くこと、つまり文章の簡易化によって、言葉や意味が著者の意図するものといつも一致するとは限らない。その場合は内容の分かりやすさよりも、情報の正確さを重視するという姿勢だ。本屋に行くと、「~入門」とか「JPOPから学ぶ~」など、ちょっと学びたいといったニーズに応える書物が増えている。これは多くの方が興味をもつことに役に立つ。しかし問題が残る。内容の簡易化によって著者の伝えたい文章や言葉の正確さは失われてしまう点である。以前書いた天皇の料理番では、料理において、値段が高くて質のいいものが以前は求められていたものの、今は安くて質のいいものが求められるという指摘があった。専門性だけでなく、意味や意図の汲みやすいモノが今は求められている。その部分では料理にも本にも類似性を感じることができると思う。

・あらすじに「初学者にもすすめたい」とあるが、言葉の定義が全て説明されていないため、一般的な「入門」よりも敷居が高め。

 

 

社会学の根本概念 (岩波文庫)

社会学の根本概念 (岩波文庫)

 

 <社会的行為は、他の人々の過去や現在の行動、あるいは、未来に予想される行動へ向けられるものである。 外的行為が物体の行動のよそに向けられている場合は、社会的行為ではない。例えば、消費するとき、第三者の将来の需要をも考えて、それに従って自分が節約すれば社会的行為である。>